翠は女としての成長が著しい女子高生である。身体は男の劣情を催すように丸みを帯びてきており、乳房は張りのあるお椀型だ。クラスメイトの千佳は制服のブレザー越しにも分かるような豊かな胸を持っており、体育の授業などで親友のボディラインを見るたびに翠は羨ましく思っている。しかし、翠の乳房も十分に発育しており、健康的なスレンダーボディが好みの男であれば、翠の肢体を目にしただけで激しく勃起するだろう。
 若さゆえか、仰向けになってもまるで垂れない乳房に、父親の手が触れてきた。
「ふあ……っ」
 翠の口から濃い喘ぎ声が漏れる。
 康史は娘の乳房を柔々と揉み上げながら、反対側の乳房に吸い付いた。興奮してツンと立った乳首を口に含み、舌先でコロコロと舐め転がす。
「んん……、んふ……」
 甘くて優しい刺激に、翠は身体を弓なりに逸らせた。舌と手で父親に愛されているが、されるがままの態勢であるため、手の行き場がない。
「もっと力を抜いて」
「うん……」
 援助交際の時は、身体を売っているという立場上、翠の方からすることが多かった。キスも翠の方からする方が多かったし、フェラチオも積極的にしていた。体位も正常位よりは騎乗位の方が多く、大抵の男は娘のような年頃の少女が自分の上で腰を振っているという状況にとても悦んでくれていた。その為、これまで翠は、セックスの時に受け身ということがあまり無かった。セックスはしてあげるもので、されるものではなかったのである。
 先日、父親の職場で濃密なセックスを愉しんだが、あの時は場所柄、翠にとってはアウェイのような感覚であったし、康史の方もポリネシアン・セックスを意識していたので、終始自然に受け身でいることが出来た。
 しかし、今は自分の部屋で、自分のベッドで父親と絡み合っている。状況としては完全にホームであり、愛しい父親に優しく愛撫されてとても気持ちが良いのだが、翠はどうにも落ち着かなかった。腕を上げては下げ、掌をワキワキさせてはあてどなく宙をさまよわせる。
「翠は何もしなくていいよ。今日は翠の身体をいっぱい愛してあげよう」
「……! ……うん」
 今の自分の精神状態を的確に把握されて、翠は顔が熱くなってきた。恥ずかしさから、華奢な片腕を上げて自分の顔を隠す。そして空いた手はベッドにだらりと下ろし、立てていた片膝もだらしなく伸ばした。心持ち足を広げて、全身の力を抜く。
「いいね。とっても美味しそうだ」
「ぶっ……」
「どうした?」
「だって、お父さん、初めての時も、アタシの身体を『美味しそう』って……」
「男にとって、性欲は食欲と同じなんだよ。食べないと死んじゃうんだ」
「うふ、すっごい肉食系だね。いいよ、アタシをいっぱい食べて、お父さん……」
 顔を隠していた腕も下ろし、普段眠っている自分のベッドで、翠は身体の全てを父親に開け放った。女らしく成長している乳房も、生え揃ってきている股間の恥毛もさらけ出し、父親の前に自分の身体を差し出した。
 究極の愛とはカニバリズムである、という話がある。宗教的な意味合いを含む場合が多いが、感覚として理解を示す者も少なからず存在する。かつて有名な男性俳優が父親の遺骨を葬式の後に食べたと証言しているし、地方に残る習慣でも葬式後に親類縁者が遺骨を食する『骨噛み』というのもある。
 言葉の上からでも、男が女を抱くときには『食べる』という言い方が広く受け入れられている。
 いずれの場合もサイコパス的な陰惨な要素は無く、愛の一つの形として存在するのだ。
 そして、食べられる方の翠も、自分が食されるという感覚に法悦めいた快感を覚えていた。それは、精神的な充足感とも言える。単にセックスするだけでは得られない、魂の悦楽。愛されているという確かな快感。相手が食べやすいように身体から力を抜き、両手両足を広げて愛する父親に全てを捧げる。今の翠は、心も身体も無防備に開ききっていた。
「それじゃ、いただきます……」
 仰向けに裸で横たわる翠の上に、康史は両手を突いて覆いかぶさってきた。片膝を翠の濡れる股間に押し当て、桜色の唇にキスをする。舌を挿し込むような濃厚なものではなく、愛情を示すだけの軽いキス。
「ふ……」
 そのままの態勢で、康史は娘の身体にキスを繰り返した。頬、鼻先、喉、鎖骨……。触れたり離れたりといったキスの繰り返しは、いつの間にか唇での愛撫となっていった。父親の唇が鎖骨に沿って這い進み、娘の白い腋の下へ向かう。乳房の膨らみ始める場所、腋の入り口辺りで康史は舌を出してきた。
「ふあ……っ!」
 予想外の刺激に、少女の唇から甘い声が漏れてしまった。腋を舐められるなど、翠は初めてである。
「もっと腕を上げて」
 元々無防備に身体を開いていた翠であるが、さらに腕を上げ、セクシー系のグラビアモデルのように父親の目に腋の下を見せつけた。
 すかさず、翠の上げた腕を抑えつけた康史は、人目にあまり晒されることのない娘の腋の下に舌を這わす。
「ひああっ! う、ひいいっ! お父さん、ま、待って待って!」
「ダメ。待たない」
「は、あああん!」
 上げたままの腕を康史に掴まれ、逃げることも出来ない翠は、初めての感覚に身体をよじらせた。
 翠自身も知らなかったが、どうやら腋の下はかなり敏感な性感帯であるようだ。これまで翠と寝た男たちは、愛撫と言えば大抵が乳房か秘所に触れるだけであったため、今、父親に舐められるまで翠本人も気付かなかったのだ。
「ふふふ、翠の弱点、発見だな」
「そ、そんな……ところ……、ん、ふうううん……」
 しかし、康史はいつまでも娘の白い腋の下を舐めてはいなかった。ザラザラとした舌の平で最後に一舐めすると、再び唇を這わせ始めた。今度は腕から手の先に向かって進んでいく。その時も、身体の裏側、内側を這い、普段は翠自身でも触れないような敏感な部分を的確に伝っていった。
「ん、ふ……。身体が……、なんか、熱いよ……」
 父親はそれに答えず、唇は翠の掌に到達した。太い血管が集中する手首にキスをすると、掌をベロリと舐め上げる。
「はわあっ!」
 同時に、娘の人差し指を、自分の親指と人差し指で摘み上げた。
「ゆ、指……、が……」
 掌というのは、人体の中でも唇や性器と並んで神経が集中している部位であることが知られている。人間の神経感覚点は温点、冷点、圧点、痛点の四つしかないのだが、面白いことに、性的快感は痛点によって得られるようである。つまり、痛みに敏感な部位に対して適度な刺激を与えると、それは快感になるのだ。その部位の一つが掌や指なのである。そして、掌や手の甲に比べて他の物が触れる機会の少ない指の股の辺りは特に敏感だ。
 そこは乳房でも、媚肉でもない。性的な部分では全くないのだが、翠は確かに性的な快感と同類の感覚を味わっていた。
「ここも、性感帯かな?」
 娘の感じている様子を満足げに眺めながら、康史は翠の人差し指を口に含んだ。ぬめるような感触が翠の指先を覆っている。
(お、お父さんが……、アタシの指を、しゃぶってる……)
 指の付け根と先端とを刺激されながら、翠は不思議な興奮状態に陥っていた。最初にキスをした後は、ただひたすらに腋から腕を舐められただけである。だが、今は腕全体がまるで性器になったかのような快感が翠の半身を走っていた。腕の中心に快感が駆け抜ける芯のようなものがあり、指先から、掌、下腕、上腕を通って腋の下から溢れるような、そんな不思議な快感。
 五本の指先を全て舐め回した康史は、自分の掌を娘のそれに合わせてきた。いわゆる恋人繋ぎである。そして今度は翠の耳元に唇を近付けてきた。甘い囁き声と共に、熱い吐息を娘に吹きかける。
「さて、今度はここかな? フッ」
「ひゃうっ! ま、まさか、この調子で、アタシの全身を舐め回すの?」
「そうだよ。翠の気持ち良いところは全部知りたいからね」
「そ、そんなのんびりしてたら、お母さんが帰って来ちゃう!」
「大丈夫。オレは別にいいから、今夜は翠を満足させてあげるよ」
「そ、ん……、はあんっ!」
 父親に耳たぶを甘噛みされて、翠の口から今夜一番の可愛らしい声が飛び出した。


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