「ふふ、ここでエッチするのも久しぶり」
 部屋に入るなり着ているものをすべて脱ぎ捨てた二人は、唇に吸い付きあったままベッドに横たわった。お互いに腕を絡め、隙間なくピッタリと身体を合わせる。静音の豊かな乳房が兄の胸で潰れ、聡のいきり立った肉棒が妹の腹部に押し付けられている。
「ね、今更だけど、これって不倫になるのかな」
「知らん」
「冷たいなぁ。でも、こっちは熱々だね」
 静音の白い手が聡の股間で屹立する肉棒に触れた。先走りで濡れた先端を、親指で巧みに擦りつける。
 肉棒をいじらせながら、聡は妹の張りのある肉丘を揉みしだいた。さっきのTシャツ越しに揉んだのとは違う、手に吸い付くような素晴らしい感触だ。
 お互いに相手の感じるところは知り尽くしている。声を発するでもなく、二人はキスを交えながら、ひたすら相手の感じる部分を刺激し続けた。
「ね、口でしよ、口で」
「んじゃ、お前が上な」
「ん」
 静音は身体を起こすと聡の頭の上で跨がり、シックスナインの体勢になった。お互いに相手の性器が正面に来る淫らな体位だ。
「すっごくエロい眺め」
「やあん、お兄ちゃんのエッチぃ」
「それに、まだまだキレイだな。子供を産んでないから、当たり前か。…あだっ! イタたっ! なんだなんだ?」
「あ、ゴメン…」
 静音はいきなり、兄の肉棒を掴む手に力を込めてきたのだ。
「なんなんだ、いったい……?」
「ゴメンね。お詫びにしっかりと舐めて上げる」
「ふおっ!」
 舌先で亀頭をペロリと舐めると、妹は肉棒を一気に呑み込んだ。そのまま舌の平で竿全体を舐め回す。
「おま、う、上手くなった……。んあっ!」
 静音は同時に聡の袋にも触れると、壊れ物を扱うように柔やわと揉み始めた。握るか、触れるか、その絶妙な手触りに、聡の快楽中枢は下半身を中心に痺れるような快感を広げていく。
「ふ、うはあ……、こりゃ、たまらん……」
 このままでは、あっさりと妹にイカされてしまう。聡は負けじと片手で静音のお尻を抱え込むと、もう片方の手で淫汁滴る媚肉を割り開いた。目の前で揺れる割れ目に舌を挿し込んで、舌先で器用に妹の媚肉を割り引き、肉芽を探り出す。剥き出しになったピンク色の肉芽は、埋め込まれた真珠のようだ。
「いつ見ても綺麗なピンク色だな」
 聡は指先を蜜壺に挿し込み、同時に肉芽を舌先でつついた。
「はあん! ああっ! い、いいっ」
 呆れたことに、静音は兄の肉棒を咥えたまま激しい喘ぎ声を洩らした。喉の振動がそのまま淫らな刺激となって、まるで肉で出来たバイブレーターのように聡の男根を振るわせる。声が響かないようにする為なのだろうが、妹の喉がもたらす快感が半端では無い。
「ああっ! 静音っ! で、出るっ……!」
 さすがに堪えきれなかった。妹の尻肉に指を食い込ませ、聡は静音の口内に男の精を激しく放出した。
 同時に、静音はストローのように口をすぼめて聡の肉棒を吸い上げた。射精時にこれをされると、男の快感は倍増するのだ。
 ここしばらく女の身体に触れていなかったせいもあり、聡の男根が吐き出した精液の量はかなり多かった。それでも、静音は兄の精液を口ですべて受け止め、少し顎を上げて飲み込んだ。
「んは……。スッゴい量。ご無沙汰だったの? 彼女は?」
「この間、別れたよ」
「ありゃ、ゴメン……。それじゃ、慰めてあげるね。まだいけるでしょ?」
「おかしいな、俺が慰めてるはずだったんだが。……なあ」
「何?」
「いや、何でもない……」
 我ながら未練がましいと聡は思った。静音はもう結婚しているのだ。旦那とうまくやっているし、あとは子作りだけ。本当は、こんな関係は終わらさなくてはならないのだ。しかし……。
(負けちゃうんだよな、静音の顔を見ると。これじゃあ、『明日からダイエットしよう』ってのと一緒だ)
 聡は自嘲気味に笑ったが、静音はそれを肯定と取ったのか、再び兄の肉棒を咥え込んだ。
 今度は身体を同じ方向に向けているので、静音が自分の肉棒にむしゃぶりついているのがよく見える。射精直後のくすぐったい感じがしたが、妹の舌技で聡の肉棒はみるみる硬さを取り戻していった。
「今度はあたしも気持ちよくしてね。一緒にイこう、お兄ちゃん」
 仰向けに横たわる聡に跨がると、静音は兄の肉棒に濡れた媚肉を押し付けた。だが、すぐに蜜壺には挿入せずに、溢れる愛液で肉棒に媚肉を擦り付ける。二人の秘部の間から、粘りつく淫らな音が聞こえてきた。
「ふふ、どう、これ?」
「ああ、お前が淫乱なヤツだってのがよく分かるよ。……あだっ!」
 淫らな微笑みを湛えたまま、静音は兄の乳首をつねり上げた。
「ふん、だ。あたしをエッチにしたのって、お兄ちゃんなんだからね」
「言ったな」
 されるがままに仰向けになっていた聡は、上半身をがばりと起こした。入れ替わりに、静音の乳房を鷲掴みにして身体をベッドに押し付ける。
「きゃっ」
「やらしい身体だ」
 仰向けになってもほとんど垂れない乳房を、聡はこねくりまわすように揉みしだいた。潤んだ瞳で自分を見上げる妹の視線が、聡の劣情を否が応にも盛り上げる。
 聡は静音の両足を抱えると、いきり立った肉棒を妹の秘所にあてがった。そのまま躊躇なく腰を突き入れる。淫汁溢れる妹の蜜壺に、聡の熱い肉棒が根本まで一気に押し込まれた。
「か……は……。あああっ! 奥に……当たる……!」
 子供を産んでいないせいか、静音の蜜壺は今でもきつめだ。汗で艶かしく光る身体が気持ち良さげによじれる度に、聡の肉棒は収縮した肉襞に掴まれるようになる。妹の名器ぶりに、いつもなら簡単に絶頂を迎えてしまっただろうが、さすがに一度イったばかりではまだまだ大丈夫だ。
 逆に静音は女の中心から来る快感が堪えきれなくなってきたようで、唇から漏れる喘ぎ声が段々と大きくなってきた。それを堪えて、自分の人差し指を甘噛みしている。
「んん……んふう……、はあ……ああん!」
 聡は妹に突き入れたまま身体を重ね、唇で静音の口を塞いだ。舌を挿し込み、上と下から静音の身体を同時に犯す。さらに、空いた手で妹の豊かな乳房を揉むという念の入れようだ。
「んーっ……! んんんあっ!」
 二人の間から、淫らな音が聞こえてくる。唇の間からは押さえつけられた喘ぎ声が。秘部の間からはニチャニチャと粘りつくものが擦れる音が。 
 血の繋がった二人の兄妹は、一心不乱に相手の身体を求め合っていた。その場で別の人間が見ていれば、それだけで絶頂に達してしまいそうなほど淫らで背徳的な光景だ。
「ああっ! イイッ! イイッ イイッ! イ、イク……! あああああっ!」
 やがて何度か痙攣にも似た動きを見せた静音は、兄の身体を力一杯抱きしめながら、のけぞるようにして絶頂を迎えた。聡の肉棒を咥えた腰を、さらに飲み込むように突き出すような体勢になる。快感を全身で味わうように硬直していた静音は、そのまま聡の身体の下でぐったりと力尽きた。
 快楽を堪能しきったような妹の顔は、とても満足げであった。
 静音を先にイかせたものの、聡も放出寸前だった。快楽の余韻に浸る妹の身体に、これが最後と一層激しく腰を突き入れる。
「お、あああっ!」
 下半身の中心から、快楽の波がとめどなく広がってくる。それらが肉棒の根元に集まってきた。快感が白く濁った液体として飛び出すのも間もなくだ。
 だが、このまま妹の体内に精を吐き出すわけにはいかない。最後の瞬間には引き抜かなければ。
「イ、イクっ、イクぞ、静音!」
 その瞬間、ぐったりしていた静音がいきなり聡に抱きついてきた。同時に両足を絡ませ、兄の身体を肉棒ごとがっちりと咥え込む。肉棒の先端が静音の子宮に突き当たるくらい、静音はしっかりと抱きついてきている。
「お、おい、静音っ! 離せっ! ダ、ダメだ……っ」
 イキそうになるところを必死にこらえ、聡は両手で静音の足を掴んだ。が、妹は驚くほど強い力で兄の身体を離そうとしない。
「お、おおいぃっ! 静音ぇっ!」
 聡はほんの少し身体をねじって隙間に腕を挿し込み、すんでのところで妹の身体から肉棒を引き抜いた。それが最後の刺激となり、聡の精液は静音の身体の上に吐き出された。汗で艶のある肌の上に、白濁した液体が小さな池を作る。
「はあっ! はあっ! はあ……っ。お前、何考えてんだ!」
 惜しむ表情で眼を伏せながら、上半身を起こした静音は腹の上に広がる兄の精液を指先で広げた。
「だって……、子供が欲しいんだもん……」
「だからって、俺と作るわけにはいかんだろうが! 明人さんと作れよ!」
「ダメなの……」
「ダメって、何が……?」
「あたしたち……、子供が作れないの! 明人さんが、無精子症だって!」
「なん……!」
 一瞬、時間が止まったようであった。
 甘く、淫らで、艶めかしい熱を持った空気が、いつの間にか冷え冷えとしたものになっている。
 さっきまで聡の下で気持ち良さ気に喘いでいた女は、今はもうどこにもいなくなっていた。代わりに、昼間帰ってきた時と同じ沈んだ雰囲気を身にまとった妹がいる。
「静音……?」
「全然子供が出来ないから、二人で病院に行ったの。あたしは、問題無かったんだけど、明人さんが……、無いって……」
 今、聡の目の前にいるのは、望んでいた赤子の代わりに、先の無い絶望を孕んだ女であった。望んでも適わぬ思いを抱え、両目に大粒の涙を湛えている。
「そりゃ……、それは……、いや、でも……」
 何か言おうとしたが、聡の口から出るのは意味の無い言葉ばかりだ。初めは静音が言った事の意味を飲み込めなくて、なかなか言葉が出てこなかったが、飲み込んだ今も訳の分からない言葉しか出てこない。
 言葉を失うとはこういう状況を言うのだろうか。本当に、かける言葉が見つからない。
 静まり返った聡の部屋で、眼を伏せた静音はそれっきり、何を言うでも無く腹の上に溜まった白い液体を弄り続けている。
 結局、言うべき言葉が見つからず、情けないことに聡はその場から逃げ出してしまった。
「わりぃ……。シャワー、浴びてくる……」
 虚ろな眼をした妹を自分のベッドに残し、聡はシャワーを浴びに風呂場へ向かった。